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神宮大麻が届けられるまで

大麻暦奉製始祭たいまれきほうせいはじめさい(1月上旬)

大宮司以下神職と関係職員が参列して厳粛に執り行われます。
今年に奉製ほうせいされる第一号の「お伊勢さま」御璽ぎょじを押す儀式が行われ、1年間の奉製作業の安全と全国津々浦々に滞りなく頒かつことが出来るように祈願します。
※奉製…「作ること」の尊敬語。
※お伊勢さま…伊勢神宮のお神札のことを「神宮大麻」と言い、「お伊勢さま」とも言う。
※御璽…皇大神宮(内宮)の印章。

大麻用材伐始祭たいまようざいきりはじめさい(4月中旬)

宇治橋に程近ほどちかい祭場にて、お伊勢さまの元となる木材が無事に調達できるよう、また作業の無事を祈願する祭儀です。
工匠がおのを3回振り下ろして木をる所作を行う「伐始きりはじめの儀」が行われます。

奉製の心得

いかに清浄に美しく奉製するかということ。
奉製に従事する者(奉製員)は、身を清め(潔斎)、白の作業衣に着替え、内宮・外宮を遥拝し、清々しい気持ちで奉製作業を行います。

奉製手順

  1. 伐り出された木は、製材し乾燥させます。
  2. 「お伊勢さま」の真となるものは、大麻の場合は白板紙、「お伊勢さま」の大きいもの(「大大麻」と 言う)は、もみを板状に製材し(真板)、乾燥と天日干しされます。そして、大大麻の寸法に製材 されます。
  3. 細い木片に白い紙垂しでを巻いた「麻串ぬさぐし」を奉製します。
  4. 和紙※に宮号を押捺します。
  5. 御璽と大神宮司の印を押捺します。
  6. 和紙をお伊勢さまの大きさに断裁し、銘紙めいしと呼ばれる紙を作ります。
  7. 白板紙や真板に、麻串を大和糊やまとのり※で貼り付けます。
  8. これらを銘紙で包むのですが、最も手間を要する作業で、上下左右が狂いなく包む為、長年の経験を要します。
  9. 銘紙で包まれたお伊勢さまの裏面の上下に神宮司庁じんぐうしちょうの封印を押します。
  10. 一体ずつ丁寧に検査され、包まれた時の少しの歪みや汚れがあれば除かれます。
  11. お伊勢さまが汚れないように掛けられている薄い紙(上包紙)で包みます。因みに神棚にお祀りする時は、この薄い紙を外してお祀りします。
  12. 再度、厳重に検査されます。
  13. 検査を通過し整えられたお伊勢さまは、大麻修祓所に奉安されます。
※白板紙…工場にて毎年3月に「神宮大麻御料紙修祓式」が執り行われます。
※和紙…こうぞを原料とし、地下50メートルから汲み上げた宮川の伏流水で、煮る、水に晒すなどの工程を経て作られます。
宮川は全国有数の清流の一つで、伊勢神宮と俗界との境界。この川で禊をしてから参拝する習わしがある。
※宮号…その神の性質や格式を示す呼び名。
※大和糊…デンプン糊のこと。
※神宮司庁…伊勢神宮に関する事務を行なう所。

大麻修祓式たいましゅはつしき(大体、毎週1回)

奉製された「お伊勢さま」は、大麻修祓所に運ばれます。
前夜から参籠している神職により、神饌をお供えして祝詞と大祓詞を奏上し、奉製されたお伊勢さまを祓い清めます。
このように全国のご家庭でおまつりされる「お伊勢さま」は厳重にお祓いして奉製されています。
その後、全国の神社庁へ届けられますが、「お伊勢さま」を納める段ボール箱工場や運送会社のトラック等の修祓式も執り行われます。
※参籠…一定の期間、神社の中で昼夜をかけ心身を清め祈願すること。
※神饌…神様に献上するお食事のこと。

神宮大麻暦頒布始祭じんぐうたいまれきはんぷはじめさい(9月17日)

奉製されたお伊勢さまを全国の神社庁や神社に頒布するお祭りをします。
お祭りでは、御代の悠久はもとより、この祭りを通して全国の家々で「お伊勢さま」のお光を仰ぐくことが出来るようにと、祝詞が奏上されます。
※頒布…広く配って行き渡らせること。
※御代の悠久…天皇陛下を頂く我が国が、果てしなく変わらず続くこと。

大麻暦奉製終了祭たいまれきほうせいしゅうりょうさい(12月下旬)

一年の奉製作業が無事に行なわれたことを奉告します。

神宮大麻暦頒布終了祭じんぐうたいまれきはんぷしゅりょうさい(3月5日)

全国各地で行われたお伊勢さまの頒布が終了したことを奉告します。